Obession(災愛)レビュー 【ネタバレ注意⚠️】
Obsession(災愛)の感想
とても気になっていた映画を観た。
彼氏に執着する彼女とのやり取り。
精神病とも言えるほど、どうやって彼女が彼に執着したのか。そしてどんな結末を迎えるのか。
主人公であり彼氏であるベアに執着する彼女、ニッキーの心理を知りたくて楽しみにしていた。
けれど、蓋を開けてみればベアがニッキーにお呪いをかけた。
ベアは実はずっとニッキーに好意を抱いていた。
けれどその思いを打ち明けられないで苦しんでおり、たまたま彼女にネックレスをプレゼントしようと訪れたアクセサリーショップで見つけた「願いの柳」に、自分を愛してくれるよう祈ったのだ。
結果、それによりニッキーは人が変わったようにベアにものすごい執着(obsession)、度を超えた災厄(災愛)のような存在になってしまった。
個人的に男女の愛と嫉妬の心理戦を楽しみにしていたのでがっかりした。
なんだ、ベアはお呪いという「チート技」を使ったのか。つまらない。
そもそも私はベアにあまり同情できなかった。
告白する勇気もないのに、死んだ愛猫はゴミ袋に入れるという無頓着?無神経さ。
そもそも、その猫が死んでしまったのもベアが不用意に置いた鎮痛剤を誤飲したからだ。
ともかく、おまじないの効果はてきめんでニッキーはガラリと人が変わってしまった。
彼女はベアを束縛し、執着し、彼に近づくものに災厄をもたらす。
ベアの自由を奪う奇怪で恐ろしい行動を取り続ける。
一方本来のニッキーは…ベアが愛していたニッキーは、自分の体の中に押し込まれ、まるで他の誰かがベアを愛し、彼の周りの人を不幸にし続ける。自分はベアなんて愛していないのに、彼と毎晩体を重ねることになる。体がいうことを聞かない。
後半、時折垣間見える本来のニッキーがベアに自分を殺してと頼み込む。
ここで私は、ニッキーのサイコパスのような振る舞いにばかり注目していたが、実はベアがニッキーを束縛している、執着しているということに気づく。
特に、まさにニッキーがベアに自分を殺すように泣きながら頼んでも、ベアは「そんなに僕といるのは嫌?」と返して外に出てしまう。
また、元凶となった主人公のベアに私は同情はできないけど、彼の気持ちも少しわかる。
元々は「好きな人に愛されたい」という純粋な願いだったはずだ。
ニッキーからは愛されるようになったけれど、本来のニッキーはニッキー自身の体の中に閉じ込められている。
ニッキーを救いたいのであれば、お呪いの効果を消すべくベアが自身の命を断たなくてはいけない。
彼女ではないけれど、自分を世界で一番狂おしいほど愛してくれる彼女を手放せない。
例え彼女が周りにとって災厄だったとしても。
最後には、もうどうしようもない状況で彼は死ぬことを選ぶ。
そんな状況でも、銃で心臓や頭をぶち抜く勇気は出ず、猫が誤飲した鎮痛剤のオーバードーズで自殺することになる。これ、なんの伏線?
でも最後まで勇気が出なかったベアらしいなとも感じた。
ベアが自殺したことでニッキーはやっと本来の自分に戻れるのだけど、もう全てが手遅れの状況だった…
巻き込まれてしまったサラやイアンも本当に可哀想だったけど、
けれどやはり一番の犠牲者はニッキーだろう。
この映画を「ホラー」と言うけど、それを言わしめたニッキー役のインディ・ナバレッテの演技がハンパないと思った。
不気味な笑いも、憎しみに満ちた表情も、まるで静止画のように顔に貼り付いているようでものすごい。
私はこの映画を観て一番に感じたのは、確かに「怖さ」もあったけど、
好きな人に執着してしまう
人の心をコントロールすることはできない
そして、少しの行動の違いで結果はまるで違ったものになる
のオンパレードだった。
それを体で感じさせてくれたカリー・バーカー監督。
彼はまだ若干26歳、これが初の長編映画。
しかも脚本・編集まで手がけたという。
これが天才か…彼の次回作も楽しみ。
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