ピチュンが旅立ちました
この記事を書いたのは本日27日です。
一晩たつごとに薄れていく記憶をとりこぼしたくないのでもっと早くUPしたかったのですが…気持ちと情報の整理がつかず本日のUPとなりました…
8月24日、最愛のベビーちゃんであるピチュンが旅立ちました。ちょうど今月で10歳になろうとしていた矢先でした。
それも緊急入院をしてからたった1日で。
ベビーちゃんがママより先に逝くってどういうことなの。
意味がわからなすぎて涙が止まりません。
つい先日まで元気だったのに。
原因は色々ありすぎて…とにかく時系列で追っていきたいと思います。
私の感情もまだ解像度が高いうちに描写しているので、今回のブログはとても長いです。自分のための備忘録と後悔の記録でもあります。
基本的に悲しいので苦手な方はここでスルーをしてください。
ただ、動物飼いの皆様には私がピチュンにしたような事態にはなって欲しくないです。
ピチュンのケースを参考資料にしたくない。けど、これで苦しむ動物さんが減ってくれればと思っています。
以前からサインはあった
うさぎの10歳。「高齢だから、トシだから」と何かと周りから言われてたけど、10歳を迎えるうさぎさんや中には15歳まで生きたうさぎさんもいたし、ギネスでは18歳を超えるうさぎさんもいます。
だからでしょうか。
ピチュンも少なくともあと数年は一緒にいてくれるだろうと…過信していました。まさかこんなに早く別れが来るとは思っていませんでした。
2021年2月から8月8日までのピチュンの変化
2021年2月からサインはあった
ピチュンの皮膚がポロポロ、フケのように白いかすが落ちていました。
しかも自慢の白いふわふわの毛がかなり抜け落ちて、首から肩にかけて、またお尻のあたりの毛が抜けて前年12月よりもふわふわの毛がボリュームダウンしていました。
下の写真は昨年12月の時点。まだ健康的なふわふわボールです。⏬
⏬そしてこちら2枚目が今年2月の時点。
1月にトリミングをしたので毛が短くなっていましたが、生えてくる毛の勢いが鈍い感じ。
毛の量が少なくなり首のところやお尻のところのピンク色の地肌が透けて見えています。生えてくるよりも抜けてきている毛の方が多い印象です。
ピチュンが少し涙目になっていたり、目やにが多いな、という印象を持ち始めたのもこの頃。
普段お世話になっている地元川越のA病院に見せたところ、はっきりとした原因が分からず、考えられるのはカビかダニだということで念の為「レボリューション」という駆虫薬を投与、そして飲むタイプの抗生物質を処方されました。
また口の中を検査したところ、
「あー臼歯がほっぺにあたって生えてきちゃっていますね。涙目もほっぺが刺激されたからでしょう。今後は定期的に歯を切り、なるべく牧草を食べるようにしてください」
とピチュンの担当医師であるA病院院長から不正咬合と診断されました。
牧草は臼歯ですり潰すのですが、ペレットは口の中でふやかしながら少しずつ食べていたのでしょう。ピチュンは今のペレットの味がお気に入りだったので…
以前はうっ滞はよく起こすけど歯だけは褒められていたのに。かなり痛いハズなのにペレットは通常通り食べていた。
うさぎが我慢強いことを忘れかけていた事がこの後深刻な後悔に…
毛が抜け落ちた件に関しては、
「この抜け方はダニのせいではないですね。今年10歳になりますし、お年でしょう」と言われました。
不正咬合になった以上、今後はほっぺに刺さって痛い臼歯を定期的に切り続けていかなくてはいけない。
A病院では歯を切る処置は行っていないので、以前エンセファリトゾーンでお世話になっていたエキゾチックアニマルでは日本で一番と言われる駒込のM病院に通うことに。
ついでに毛が抜けている件に関してもそこで一緒に見てもらうことになりました。
それが2021年3月のことでした。
エキゾチックアニマルでは評判の駒込のM病院に通院することに
正直駒込までは電車で1時間越え。
長距離の移動はピチュンにストレスがかかるとはいってもタクシーで毎月通うのはお財布的に厳しい。電車通院でかかるストレスを差し引いても、駒込のM病院に決めました。
なんといっても以前エンセファリトゾーンの件でピチュンの命を救ってくれて、他病院から「エキゾチックアニマルはここ!」と推薦されるくらいの病院にだったからです。
エンセファリトゾーンのお話はこちらから⏬
M病院に通院をしても毛は抜け続け一向に改善しません。
またピチュンの涙目もおさまらず、もはや常に目の下がカピカピになっている状態。
5月くらいになると、ピチュンはうたっち(うさぎが後ろ二本足で立って前足で顔や耳をお掃除すること)をするとフラつくようになりました。
体を曲げてお尻を舐めるときもうまくバランスが取れず、ピチュンの丸いお尻を撫でるのが大好きだった私が来た時はまるで今がチャンスとばかり私の手に寄りかかりながらお尻を舐めたり噛んだりしていました。
今になって思えば、お尻をしきりに舐めているように見えたのは、ダニのせいだったのかもしれません…
さらに牧草を食べる量が減ってきて、ペレット+少しの野草+おやつという食生活に。
「高齢になると牧草を食べずペレット中心になる」
とどこかで聞いた情報を鵜呑みにして、一応M病院にも告げたのですが、特に大きな問題ともとられず、「お年ですからね」と言われ私もそんなものなのかな、と納得してしまっていました。
初夏に入った頃からピチュンはなんだか時々息苦しそうにしており、鼻をぷうぷうしたり、またお股に顔を突っ込んでうんちを食べるときにまるで出目金のように目玉が飛び出る(眼球突出)などの症状が見られました。
「眼球突出は心臓か肺に原因があるかもしれないですね。次回あたりレントゲンでチェックをしましょう。鼻涙菅はエンセファリトゾーンで片方に顔を向けていたせいで損傷している可能性がある。だから鼻から音が出ているのでは」
M病院でこのように言われ、鼻涙菅の洗浄やネブライザーを続けました。M病院も毎回聴診器でピチュンの肺の動きはチェックしていました。
5ヶ月間もただただネブライジングと駆虫薬と歯をカットしてきただけ、という表面的なケアばかりをして根本的な内部の原因を見出せずにいた。ただ、それは今振り返ればだからこそ言えることでもある。
血液検査を例え毎月しても、いきなり悪くなることもある。
けれど、何かしらの解決の糸口は見つけられていたかもしれない。
結果ダラダラとピチュンに5ヶ月間も我慢させてしまったのかと思うと…本当に悔しいです。
そして怒涛の展開だった8月…
2021年8月9日
抜け毛が治らない、まだなんだか辛そうな表情をしているピチュン。
それに時おり小刻みに寒がるような震えを起こしていました。
毛が抜け落ちて肩の肌がもうこの頃には丸見えだったので、
(寒さかな、いや夏だし、でもエアコンを利かせた室内でフカフカのマットに進んで横になるピチュン。やっぱり寒いのか??)
前回7月26日にも来院しましたが、改めてM病院で見てもらうことに。
そうしたらなんと、肉眼でもわかるサイズのダニが数匹ピチュンの肌に吸い付いていました。明らかにこれまでのダニとは大きさが違う。
え…ひどくなってる?というかそもそも、川越のA病院でも駒込のM病院に変えてからもずっと駆虫薬と抗生物質は塗っていたのになぜ…?
というか…ほんの1週間前まではいなかったよね???
さらにここ1週間ほど後ろ足を浮かせて3本足で歩いていたピチュン。
座るときはそっと足を地面に下ろしますが、バランスを取りづらく、うたっちはもうできなくなっていたので両手から片手で一生懸命お口やお目目をケアしていました。後ろ足で耳を掻くことが出来なくなり、しかもお尻にはダニまで。
口でお尻を噛んで痒いのをしのぎたくても、後ろを向くには足のバランスが必要なので、それもできない状態でした。
かわいそうに、ピチュンはどんなに痒かったことでしょう。
お尻に赤い点が斑点のようにできてました。手で取り除いた後、再び駆虫薬を投与。
足の原因と、前回でも言われていた心臓と肺の様子を探るためレントゲンを取ることに。
その結果…
足とは別に肺の形が少しおかしいこと、
心臓が肥大しているのではないかということ(心筋がうまくポンプの役割を果たせきっていない)、
また毛の抜け落ちが止まらないのは甲状腺ホルモンに異常があるのでは無いか…
などこれまで考えてもいなかった新たな問題を次々に突きつけられました。
「心筋のお薬は一生飲み続けることになるので、飲み続けると腎臓に負担をかけてしまいます。ですがこの状態でしたらもう飲み始めましょう。次回から心臓のお薬を投与していきましょう。また甲状腺ホルモンについても考えておいてください」
小刻みな震えに関しては「わかりません…神経か肺か、心臓から来るものなのか」と返された。
うっ滞を起こした時も小刻みの震えはあったので、その可能性を考えてお腹の触診をしてもらっていましたが特に異常はないとのこと。
食欲はあるかと聞かれ、牧草はほぼ最近は食べないけれどペレットは食べる、またおやつはよく食べると答えました。
その日は引き続き足の炎症を抑える薬と痛み止め、駆虫薬を肌につけてもらって帰宅しました。
なぜその時点で「血液検査」という最も基本的な、かつ不明な病気も割り出せる精度の高い検査を思い付かなかったのか。
病院も私も。今振り返ればピチュンの容貌の変化と様々な症状で臓器に異変が出てきたことは明らかなのに。
(なんだか一気に色々な箇所が同時多発的に悪くなってきたな)と思った日でした。
これも「おトシだから」と言われ続けて、半ば
「そんなものか…」と歳のせいにし、何か違う病気が潜んでいることを気づきませんでした。
今後もっともっとケアが必要になっていくんだろうか…
でも1つずつ問題を解決していかなくては、ピチュンのために。そんな風に呑気に考えていました…
2021年8月16日
地元川越のA病院へ。
相変わらず3本足で後ろ足を浮かせているピチュン。
お耳のセルフケアができているかのチェックとダニの再チェック。また爪を見てもらうためでした。
この頃私たち夫婦の間で
(ピチュンの後ろ足が悪いのはもしかして爪が伸びすぎている?)
という考えのもと抱き上げて爪をカットしたらなんかピチュンの爪が脆い…というか、黒っぽくなっていました。
これも今考えると臓器からのサインだったのかもしれません…
結果爪はカットしても足の状態はよくならず。A病院院長からは
「今のところ耳は綺麗ですよ。ダニも見た感じいませんね」
と言っていただき、念の為もう一度駆虫薬を投与。
(…よし、ダニはクリア。次はピチュンの後ろ足についてだ)
「足についてですが、浮かせている足がだいぶ腫れていますね。関節の液が腫れているので関節炎だと思います。炎症留め、痛み止めのお薬を出しておきます。足元は硬いフローリングなどにしないでくださいね」
…?ピチュンはフリーケージだし、ベッドの下は基本もふもふなので
(これ以上もふもふ環境にしろってこと??)と思いながらも楽天とアマゾンでふわふわマットレスを追加することに。
⏬⏬⏬⏬
それでもピチュンの足は一向に良くなりません。炎症剤も痛み止めも1週間以上あげているのに…
また、抜け毛も改善しない。
なんだかピチュンが一気に老けてしまったような印象だった。
「10歳でこんなに抜けるものなのですか?」と聞いたところ、
「いえ、10歳でこんなには抜けないですね」
と言われました。
やはり甲状腺ホルモンが関係しているのかな?
次回辺りからそっちも治療を始めないとな、と思いました。
この時の私は、足や歯、ダニのことに囚われすぎて、毛については甲状腺ホルモンに問題があるのだろうと。ただ甲状腺ホルモンについては今日明日の問題ではないと言われていたので血液検査をしなくては、ということに頭が回りませんでした。
血液検査なら体のいろんなことが一発でわかったのに…!
今でもこの点が本当に悔やまれます。
A病院の処方箋は後日M病院にも共有しました。
ピチュンはこの頃から、ペレットすら残しがちになっていました。
(歯は前回カットしてから1ヶ月たっていない。まだほっぺに刺さるレベルじゃないし口の中は痛くないはずなのになぜ?)
と思いながら、ペレットをふやかしておにぎり状にすると食べてくれたので
「やはり歯の問題?」と思いましたが…それでもピチュンが完食しませんでした。
この時ピチュンは既に牧草には一切手をつけていませんでした。口元に持ってきても食べませんでした。
同時に下痢も頻繁にしていたのでウェットティッシュでは間に合わず暖かく濡らした布で下痢便を取っていました。その方がピチュンも心なしか気持ちよさそうにしていたからです。
またこの頃からおしっこの粗相も増えて、おしっこシーツだけでは覆いきれず直接カーペットにすることも2、3回ありました。
ピチュンは4年前にエンセファリトゾーンを発症してからトイレBOXではなくおしっこシーツの上でうんちやおしっこをするようになっていました。
食欲の低下と下痢と足の問題。そして牧草などの硬いものを食べないことによる歯の不正咬合。
実はこれが腎不全が進行した結果だったのです。
またこの頃からピチュンはうつ伏せになる時に前足を揃えてなくて横に開いていたことが多かった気がします。
暑い時もたまにするポーズなので、「可愛い」とすら思っていましたね…
この5ヶ月の間、ピチュンは確実に弱っていきました…
2021年8月21日
ここから描写するのが本当に辛いですが…
前回から1ヶ月は経っていないけれど口の中の様子をもう一度見て欲しいとM病院へ。
食欲は歯の問題と、歳による緩やかな減少によるものだと信じ込んでいました。
その際ピチュンは超音波を勧められました。
前回とったレントゲンの心臓肥大について、もう少し詳しく調べてみたいとのことでした。
超音波検査の結果…心臓が通常よりも大きく肥大しているということに。
「左心室と右心室が肥大し、丸くなってしまっています。心筋の調整をするお薬はこの先ずっと飲み続けるもので、長期になってくると今度は腎臓にダメージを起こしてしまうのですが、この状態では今日から処方した方が良いと思います」
(息苦しさの原因とうつ伏せの時の前足の開きはこれだったのか…ピチュン、苦しかったんだ)と呆然とする私に、
「次回にでも血液検査をしましょう」と言われました。
17日の時の写真⏫これも、今になって考えればうつ伏せになって心臓や肺を圧迫すると苦しいからマフラーをお腹の下に置いて自らスペースを作ろうとしてたのがわかります…この時わかってあげていれば。
21日の日は心臓のお薬と歯のカットをしてもらい帰宅。
もし…この日に検査をして、すぐにでも緊急処置を施していたらもしかしたらピチュンが生き残る可能性は少しでも上がったのでは…。後日、M病院からもこの点は悔やまれる、と言っていました。
たった数日の違いで…と後悔しかありません。
その日の夜から心臓のお薬の投与開始。
スライスしたバナナの間に粉末剤を入れてサンドイッチにしてピチュンにあげました。
実はこの方法、エンセファリトゾーンの時一番ピチュンにとってストレスのないお薬の与え方でした。
本当はピチュンは桃が一番好きなのですが、バナナの方が水分が少なく粉末を取りこぼさず完食してもらいたかったのでバナナにしました。とはいえピチュンはバナナも大好きです。
ただ、この時、好物のバナナを食べるのにいつもより少しだけ食いつきが悪いことを察していれば…
2021年8月22日
相変わらずペレットの食いつきはあまりよくなかったけど、粉末入りバナナサンドイッチは食べてくれました。
「これで心臓の病気もだんだん良くなるからね」
そうピチュンに話しかけ、この日は安心してランチに出かけてしまいました。
帰ってきたのは8時前くらい。桃を食べていたら、ベッドの下から勢いよくピチュンが出てきて桃を欲しがっていたので、
「珍しく食欲が出てきたみたいだね」
なんて呑気に喜んで桃をあげていました。ただ、後でお薬のバナナサンドイッチがあるからあまりあげられませんでした。
その時、ピチュンを撫でていたら腕をぺろぺろと舐めてくれました。
これが、ママとピチュンでラブラブな時間を過ごす最後になりました…
その後夫jujuが10時ごろ帰宅。二人でピチュンのそばで映画を観ていたら、ピチュンが後ろから夫の背中をツンツンと。
「本当に元気になったみたいだね、さっき桃も食べがったし。」
なんて本当に2人で笑っていました。
この日ランチなんて出かけずにピチュンをもっとよく観察していたら。
⏫前足は開いているけどにリラックスはしていない。これは相当に悪い状態だったと後で気づく…
ピチュンがすでに限界までガマンしていることに気づいてあげられませんでした。
2021年8月23日
朝。
予感というものなのでしょうか。
いつもは11時近くまで寝ている私たちですが、その日はなんだかピチュンが気になり9時前に目が覚めました。
ベッドの下を除いてもいつもいるはずのピチュンがいない。
ふと、顔をあげると目の前の部屋の真ん中でピチュンがこちらを見つめていた。
人間が起きるのを待っていたピチュン。
只事ではない顔をしていました。
それはまさにピチュンが
「どうしてもガマンできないの。助けて、ママ!」
と発している信号でした。
ピチュンは
・どこか痛い
⏬
・ママやパパが誰かを呼んできてくれる・どこかに連れていってくれる
⏬
・痛いのがなくなった!
というこの10年間何度も繰り返したパターンを、すっかり学習したのです。
今回も治してくれると私たち人間を信じて…
慌ててピチュンの様子を見てみると、座っているのに顔がフラーっと倒れかけ、またなんとか自分で戻しているような仕草。
まさか、エンセファリトゾーンの再発…?
いや、あの時とはなんだか様子が違う。眼振もないし、全体的に力がない。座っているのがやっと、という感じ。
急いでM病院に電話をした。
時間外だったけれど何とかお昼過ぎの空き時間に入らせてもらうことに。
急きょ血液検査を行った。その結果…
「腎臓の数値がひどく悪いです。BUN(血中尿素量)が94.5あり、腎不全になる基準値を大幅に超えてしまっています」
と、医師から神妙な顔で言われた。
「直ちに入院して静脈点滴などの適切な処置をしないと命に関わります。」
は…?ちょっと何を言っているのかわからない。
だって悪いのは心臓とか肺とか足とか甲状腺ホルモンとかでしょ…
え?腎臓?どうして?
あまりのことに理解が追いつきません。
「今から腎臓の数値が正常に戻るための集中処置をします。水曜日にはある程度の結果が出るかと。急性のものであれば処置により回復する可能性はありますが、慢性だと厳しいかもしれません。また、入院中にもしものことがあることも理解しておいてください」
矢継ぎ早にまるで青天の霹靂のような展開…
…入院してもしなくても助からないかもしれないってこと?
ピチュンを失うかもしれないってこと?こんなに早く、突然に?
と、息をするのも忘れていたような気がします。
こんなにずっと調子が悪いのが腎臓のせいだとしたら…
素人の私でも、感じた。
おそらく…慢性だろう。
それは、確実にその兆候をきちんと見られなかった私のミスだ。
その間にも、医師から
・この腎臓の症状はの猫ちゃんにも見られる症状であること。うさぎと猫はその点で最後はとても似ている
・前回の血液検査(2021年2月)では数値が出ていなかったので、半年周期で検査をするすれば良いと思っていたのだが…
この「前回行った血液検査の時期」に、後々致命的なミスが起こることになります。
頭が真っ白になり、震えが止まりません。
とはいえ、目の前で明らかに息も苦しそうなピチュンを見てすることは一つ。
ピチュンのために今からでもベストな方法を出したい。
助かる可能性が少しでもあるのなら、この病院を信じてピチュンを託したい。
とはいえ
もしピチュンがこのまま病院でひとりで逝ってしまったら?
最悪の事態が頭を何回もよぎり入院手続き用紙と同意書を記入しつつも涙が溢れてくる。
「今日はこの後ずっと病院の近くにいます。できるだけピチュンのそばにいることはできますか?」
せめて、もし万一のことがあってもせめてそばにいてあげたい。
すると医師がティッシュ箱を差し出しながら
「特別に院外の時間帯に少しでよければ面会をしていただけますので、6時過ぎたらいらしてください」
と言ってくれた。この時午後の1時半。院外の時間帯になるのは午後6時以降。
「処置してすぐに容態が急変する可能性は低いですが、連絡はすぐつけるようにしておいてくださいね」
「わかりました。病院の周辺にいますので、すぐに飛んできます。」
幸いにも夫のバーがM病院の徒歩圏内にあったので、そこで午後6時まで時間を潰しました。
PCを持ってきていてよかった。自営業でよかった。
ピチュンは以前から病院にかかる頻度が多く保険に入れなかったので病院にかかるたび万単位のお金が出ていく。
仕事をして、ピチュンの入院費も稼がなくては。
でも、鼻水が止まらない。涙でスクリーンが見えない。
考えなくても良い作業だけなんとか進め、そして6時。
ピチュンに会いに行く。
持参したメッシュのキャリーバッグに入ったままのピチュンが診察台の上にいた。
そのままの状態で腕に点滴の管を刺されている。
クリクリのお目目をこちらに向けていて本当に可愛いと思ってしまった。こんな時なのに。
「シリンジ2本分の強制給仕は飲み込んでくれました。まだ飲み込む力があります。あとは今夜一晩なんとか頑張ってもらえれば…夜は病院には誰もおりません。が、スタッフも午後8時、9時くらいまではおりますし、ビルを閉める前に全ての動物の容態はもちろんチェックしてから帰ります。翌日も午前8時には開けますので、どうかご理解ください」
夜には誰もいなくなる。
もし、万が一…いやもっと高い確率で、ピチュンが夜中誰もいない病院でひとりで逝ってしまう可能性があるのだ。
ただでさえ、この半年間近く徐々に進行してきた苦しみに健気に耐えながらそんなことになってしまったら。
ピチュンと一緒にいたい。
その時は私の腕の中で看取りたい。
だが、病院の中にとどまる事はできない。それは不可能だ。
そしてそれは私のエゴだ。
ここでベストの処置方法を施してあげた方が良い。
でも、もしかして同じ苦しみならピチュンだって家に帰りたかったかもしれない。
ママやパパと一緒にいたいと思ってくれたかもしれない。
でももしピチュンが家で亡くなって、ちょっと目を離した時に逝ってしまったら。
「あの時病院でピチュンに適切な処置をしていたら助かっていたのに」
と後悔をするかもしれない。
これも私のエゴだ。色々な感情が混ざっていた。
言葉を発しない動物。彼らはどう感じているのだろうか。
全ては人間側に委ねられる。
動物との最期は本当に難しい…
とにかくピチュンには辛いだろうけど、今夜一晩頑張って欲しい。
明日になればまたママとパパは朝一番に会いにくるし、また一日中病院の周辺にいてすぐにピチュンの元に駆けつけられる。
「明日ピチュンの大好きな桃を持ってきても良いですか?」
と聞いたら、
「はい、食べられるものなら何でも…」
と神妙な顔をする医師。糖分の高い桃にすらすがる状況。ことの深刻さを感じつつも、
「待っててね。明日の朝一番に大好きな桃を持って会いに来るからね。」
とピチュンに泣きながらなるべく明るいトーンで話しかけました。
「待っててね」。この言葉は、ピチュンに教えた言葉の一つです。
「暗くなったら戻ってくるね」
とか
「暗くなって明るくなったらママ帰ってくるね」と、
イメージを伝えながらコミュニケーションをしてきました。
今回も明るくなったらママはすぐに来るよ、だから頑張ってね、ママを待っててね
とイメージしながらピチュンに伝えました。
どうにか一晩頑張って欲しい。
誰もいない病院でたったひとりで逝かないでほしい。
ピチュンは薄目を開けて息を荒くしつつもこちらを見てくれました。
その夜どうやって帰宅したか覚えていませんが、涙がとまりませんでした。
今からこんなに悲しんでいてはダメだ。ピチュンは頑張っている。
そしてこれからあと12時間も、誰もいない真っ暗な病院内でたったひとりで過ごすのだ。
我慢できないほどの痛みを抱えながら。
大丈夫、4年前のエンセファリトゾーンの時だってピチュンの命を救ってくれた病院だ。
ベストな方法で治療してくれるはずだ。
大丈夫。ピチュンはあの病気を克服した強い子だから。
ママとまだ一緒に生きるんだから。
でも…ピチュンはもう10歳。体力も免疫も落ちている。
そしてこんなにも色々な部位が悪くなっている…
もし…ピチュンが今夜にでも逝ってしまうことになったら。
こんなに我が子のように可愛がっていたベビーがいなくなるのなら、明日から何を生きがいにすればいいのか。
自営業になってピチュンといつも一緒にいて今後ますますお金のかかるピチュンのためにガンガン稼ぐ!と思っていたのに…
そんなことを考えては頭を振り、けど涙は止めどなく流れてくる。
胸が苦しくて痛くて何も食べれない。
そういえば、今日一日何も食べていなかった。
「明日朝イチでピチュンに会いにいくんだから。ママは少しでも何か食べて元気を出して。ピチュンのために」
夫Jujuが励ましてくれた。
そうだ。食欲のないピチュンに大好きな桃と元気を持っていかなくては。ママがしっかりしなくてはどうするんだ。朝イチでピチュンが待っているのだから。
そう信じて…
長くなりすぎてとても1記事にはまとめられませんでした。
明日、続きをUPします…