ちょうど1年前、冬の着物の寒さ対策について書きましたが、その際はインナーメインだったので、今回はアウター(上物/うわもの)と靴について語りたいと思います。
色々あるよ!着物アウター
寒い季節も本番。着物アウターといっても、道行・道中着・羽織・和装コート、ケープまで、色々ありますよね。その際、一体何を着れば良いのか、TPO別に自分の好みも合わせて詳しく解説していきたいと思います。
1. 道行(みちゆき)・道中着(どうちゅうぎ)
道行も道中着も、お洋服で例えるといわゆるコートです。
一般的には道行が礼装用、道中着の方がカジュアルと言われますが、柄や素材によって異なります。紬や小紋柄だったら道行といえどカジュアル向けです。
反対に、無地やほぼ無地に近い状態なら道中着でも略礼装までOKだったりします。
礼装:第一礼装とも呼ばれます。黒留袖や振袖、喪服などがこれに当たります。
略礼装:色留袖や訪問着、色無地(紋付)、江戸小紋(紋付)などがこれに当たります。
両者の見かけ上の違いは、襟元の違いとシルエットの違い。
どちらを選ぶかは好みもありますが、最近は道中着を新たに買われる方が多いように思います。最近のトレンドは道行も道中着も羽織も長めです。
道行はどちらかというとアンティーク着物市場で良く見られます。アンティークなので、丈が短めのものが多い印象です。
ちなみに私が今持っているのはこの道中着。
「墨流し」という技法を使ったシックな色合い。とてもお高いものでした。
「上物は着物よりも多くの人の目に触れるものだから良いものを持ちましょう」と着付けの先生に勧められるまま新調したのですが、作って良かったと思っています♩
その理由は・・・
- 良いものなのでわかる人からは褒められる
- この道中着の柄なら、黒で統一されているので略礼装までOK
- そして今の時代は略礼装でほとんどOKな場面がが多いから、などです。
ちなみに道行も道中着も「コート」扱いなので室内では脱ぎましょう。そして、やはり道行と道中着だけだと真冬は寒いので、厚手のショールやストールはいずれにしろ必要です。
着る時期ですが、着物だけだと肌寒い、おおよそ10月ー4月の間に着用します。レースなど透け感のある夏物は、5月ー9月くらいの間に着用するのが一般的と言われています。
2. 羽織
着物愛好家には大人気の羽織ですね。個人的にはその理由として、
- 形が好き
- 羽織ひもにもこだわれる
- 室内でも脱ぐ必要が無い
- 帯結びに自信がない時ごまかせる
などがあると思います。けれど、羽織は礼装用ではありません。そもそも男性用だった羽織を女性が着始めたのは江戸中期の深川芸者たちがはじまりと言われ、一般に広まったのは明治以降だったそうです。そのため打掛は結婚式でも使われる女性の正装であっても羽織は黒紋付羽織(下記参照)を除いて女性の正装として認められていません。
(Wikiより抜粋)
黒紋付羽織
明治時代から昭和50年代まで既婚女性に広く使われた羽織。(中略)どんな着物でもこれを羽織れば礼装となるというもので、主婦には重宝された。黒の紋付羽織、黒の絵羽羽織は、昭和50年代までは学校の入学式・卒業式の付き添いの母親の制服的な存在であったが、その後は一気に衰退し、現在は滅多に見ることがない。(Wikiより)
羽織=カーディガンなので、寒い時は羽織の上に道行や道中着を重ねている人もいます。ただ、羽織に厚手のストールやショールを合わせれば十分暖かいですし、羽織と道行(or道中着)の重ね着だと少し重みを感じるかも・・・。道行や道中着がアンティークのものだったりすると、最近流行の長羽織とは丈が合わず羽織が下から覗いて見えてしまう事件が起きる可能性があります。
個人的意見ですが、室内では帯を見せたい派なので羽織を作ろうとはまだ考えていないですが、あれば便利かなと思います。
羽織を使用するタイミングですが、道中着・道行と同じ10月ー4月の間に着用します。レースなど透け感のある夏物は、5月ー9月くらいの間に着用するのが一般的と言われています。
3. 和装コート・ケープ
暖かさで言えば、断然和装コート!羽織や道行にショールを合わせても寒く感じる真冬時や寒い地方にお住まいの方などは大変重宝されます。洋服のコートと同じ素材が多いけれど、着物にあわせて衿まわり、袖まわりがゆったりとしていて、背中周りも帯の分余裕を持って作られています。衿もへちま衿、変形衿など可愛いデザインがあります!
和装コートは礼装用かどうか道行・道中着ほど明らかなルールはありません。無地のものであれば基本礼装用でも大丈夫です。
そしてケープ。シルエットが個人的に好み!是非とも次に手に入れたいアイテムです。手持ちの道中着がある程度のフォーマルシーンまで対応できるので、カジュアルシーンでは可愛いシルエットのケープを着たいと思っています。ただ、短めの丈だと風が入ってきて寒いので、長めのケープが欲しいところ。
和装コート、ケープとも室内では脱ぎましょう。
足元の防寒はこんな草履もオススメ!
足元も冷えますよね。前回の記事では、和装ストッキング+足袋インナーを重ねて履けばだいぶ暖かいと書きました。
が、やはり外出する際は指先が冷えます・・・私は白い足袋を履くことが多いので、汚れが結構気になります。混んでいる電車の中だとぶつかったり、蹴られたり(泣)することもあるので・・・
なので防寒草履を探していました。従来のデザインにはあまり可愛いのが無く、合皮などで爪先を覆うものが多く雨草履とあまり違いがわかりませんでした。個人的にモフモフしたものが欲しかったので、アザラシを使った防寒草履もチェックしてみました。が、やはりアザラシさんに申し訳ないのでそれ以外で検索してみたところ・・・可愛い草履を見つけましたよ❤️
お値段も安めだし、ふわもこだしデザインが可愛い❤️見た目も、そして実際暖かい❤️
道中着や道行には合わせにくいかもしれないけど、和装コートやケープとならすごく可愛いと思います。おしゃれ着に合いそうですね。
ちなみに、より汎用性が高いものとしてはこんなデザインもあります。
実は私は先にこちらを買いました。
さっきのフワモコよりもだいぶ暖かさは減ったかな?と思っていたのですが、爪先が隠れるだけでこんなに暖かいとは・・・元旦のお参りにこの靴と足袋を2枚重ねで履いて行ったら全然寒くありませんでした。
一応草履なので、フォーマルな場所にも履いていけるという意味では汎用性は高いので買ってよかったと思います。
もっと安く済ませたい方は、このように透明のプラスチックバージョンもありますがこれは雨や雪が降っていない時だと個人的にはだいぶ違和感を覚えます。
自分だけのお気に入りの一足を見つけたいですね。
まとめ
いかがでしたか?
正直、最初道行や道中着を着付け教室で見せられた時は
「こんなんで真冬は暖かいのだろうか・・・」と思ったものです(笑)
でも、関東であれば真冬でもインナー対策していれば十分暖かいですし、今年は上記のフワモコ草履があるのでさらに暖かく過ごせそうです❤️
まだケープを持っていないので、今年はフワモコ草履と合わせて道中着の上にモフモフストールを重ねて着ようと思います。何事も実験(笑)。お気に入りのコーディネートでこの冬も暖かな着物ライフを愉しみましょう♩
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