ぽっぽやを選んだワケ
志村けんさんの出ている唯一の映画であること、また公開当時見ていなかったので。
先日志村けんさんの特集を見ていて、50歳くらいの時のインタビューに答える姿が何か異様に格好良く見えたのは私だけでしょうか。バカ殿直後の映像だったので余計にそう見えたのかもしれません。
映画出演が決定した際、高倉健さんとのやりとりも面白かったので当時の彼の周囲のキャストはどういう人たちだったのか、またこの時代の空気を改めて感じたいと思いました。
登場人物
佐藤乙松(高倉健)
鉄道員一筋の主人公
佐藤静枝(大竹しのぶ)
乙松の妻
佐藤雪子(山田さくや・谷口紗耶香・広末京子)
乙松と静枝に授かった一人娘
杉浦仙次(小林稔侍)
乙松の同僚。退職後はトマムリゾートに再就職する予定
杉浦明子(田中好子)
仙次の妻
杉浦秀雄(吉岡秀雄)
仙次と朋子の息子
吉岡肇(志村けん)
炭鉱夫
吉岡敏行(安藤政信)
肇の息子
加藤ムネ(奈良岡朋子)
幌舞駅で「だるま食堂」の女将
映画の中で使われた幌舞駅は「幾寅駅」がモデルになったそうです。現在も保存されています。
あらすじ
主人公の佐藤乙松は、北海道の道央にある廃止寸前のローカル線「幌舞線(ほろまいせん)」の終着駅・幌舞駅の駅長である。鉄道員(ぽっぽや)一筋に生きてきた彼も定年退職の年を迎え、また同時に彼の勤める幌舞駅も路線とともに廃止の時を迎えようとしていた。
彼は生まれたばかりの一人娘を病気で失い、また妻にも先立たれ、孤独な生活を送っていた。
雪の正月、彼のもとに、真っ赤なランドセルをしょった少女が現れ人形を忘れて帰る。彼女の来訪は、彼に訪れた優しい奇蹟の始まりだった。 (wikipediaより抜粋)
見所
結論;見所は景色とか雰囲気かな
結論から言うと、ストーリーやキャストの演技に関しては見所はあまりありません。ところどころ少し冗長な感じを受けました。
また現在と過去の出来事を繰り返して物語は進んでいきますが、途中時系列に戸惑うことも。あそこまで頻繁に回顧シーンを繰り返す必要はあったのでしょうか。
また雪子の扱いが少し気持ち悪い。小学校に上がる時は可愛かったが、12才の少女が娘とはいえ実の父親にキスをするか?ほっぺじゃなくて唇ですよ。17才の雪子も、父親を慕うというよりは異性の男性に対しての振る舞いに思えてしまう。
全体的に、キャストありきのストーリーに見えてしまいました。
とはいえ雪煙をあげて走る鉄道の雰囲気や鉄道アイテムのレトロ感、ネットの無いゆったりと流れる時間、男同士の友情、ウェットな人情、親を失った子供をみんなで支え合うコミュニティ的な部分は良かったと思います。
高倉健の鉄道員の制服はカッコイイですね。
独断と偏見に溢れる個人的レビュー
日本映画はクローズアップ・ショットがあまり無い
20年前の作品だからなのか、日本映画だからなのか、クローズアップ・ショットがあまり無いですね。
普段どちらかという海外ドラマを観たりするのでその違いに少し違和感を感じました。逆に日本映画愛好家の人からは海外ものはやけにクローズアップ・ショットが多い、ということになるのでしょう。
ちなみにクローズアップ・ショットの効果としては、出演者の感情を視聴者に伝えたい場合などに使うようです。
だからなのか、日本映画に対してどこか淡々と物語が進んでいくように覚えるのはそういう効果もあるのでしょうね。なので特に古い映画だと、声も聞き取りずらいので映画に入っていくのに多少の努力が必要です。
安藤政信の若いころマジイケメン
私は当時から芸能人に疎く、吉岡秀隆が内田有紀の旦那さんってことも今知ったレベルです。なので安藤政信も知りませんでした。
そんな私が当時から知っておけば良かったレベルの格好良さ。まぁ当時から知っていたところで何が変わるものでもないのだけど。彼の横にイタリア人の女性が立つシーンがあるんだけど、彼がカッコ良すぎてイタリア人の女性もウキウキしているよう(に見えました)。
そして志村けんさん
やっと登場!
酔っ払い同士の迫真の演技。どうしてもバカ殿様や志村どうぶつ園の優しいイメージからこんな暴れん坊な彼を見るだけでもすごく新鮮。
え、でもあっという間に彼のシーンは終わってしまいます。あまりにも呆気なさすぎて広末涼子とのシーンが冗長に見えてしまう。。。てっきりもっと観れるかと。まぁ、でも志村けんが出ただけでお笑いをしてくれるものかと自然と思えてしまうのはさすがですね。
メークもカツラもつけていない彼の迫真の「炭鉱夫」はとても新鮮でした。
志村けんさん、どうぞゆっくり休まれてください。